“可能な限り予算を抑えながら家づくりはすべきだ”
というのが私自身の持論なのですが、かといってその予算圧縮を家だけで行なおうとすると、結果的に住みづらい家を作ってしまう可能性が高くなってしまいます。
というのも、あなたが必要だなと思っている部屋やそれぞれの部屋の広さを予算を圧縮しつつも忠実に実現しようとすると、必然的に1階にリビングと水回りがきて、2階にそれぞれの個室と余ったスペースに収納を作ってしまうからです。
また、階段下収納のようなタタミ半畳程度の収納を数多く作っている家もありますが、こういった収納は使い勝手の面でも、またコストパフォーマンスの面でも、意外にも難がある収納だったりするんですよね・・・
●手前半分が無駄なスペースになる
半畳収納は奥行きが非常に深いのですが、実は、収納に片付けるもののほとんどがこの半分の奥行きがあれば十分収まるものばかりです。
となると、その収納はおよそ半分程度しか有効に使うスペースがないということになります。
●奥に置いたものが分からなくなる
かといって、収納スペースを無駄なく有効に使うために、どんどん奥にモノを詰め込んでいってしまうと、そもそもそこに何を片付けたかが分からなくなってしまいます。
そして、知らず知らずの間に忘れ去られていくことになります。
その結果、あるにもかかわらず、同じモノを再び買ってしまうという無駄な出費を招いてしまいます。
●ドアの数が多くなりコストアップにつながる
収納ごとにドアをつけていけば、その分どんどんコストがかさんでいくことになってしまいます。
(ドアの種類にもよりますが、1枚につき平均約3万円ものコストがかかります)
また、収納にドアをつけてしまうと、心理的に適当にモノを詰め込んでしまいやすくなるので、そうなると収納の中がグッチャグチャになり、それこそモノがなくなったり、無駄な出費の原因にもなりやすくなってしまいます。
●いつもいる近くに使いやすい収納をつくること
リビングダイニングキッチンの付近に、大型収納を作ることが、最も収納を有効利用出来る方法ではないでしょうか?
そして可能な限り同じ場所で全てを収納出来れば、片付けも管理もしやすくなるのではないでしょうか?
●コストを下げる工夫も同時に必要
しかしながら、1階に大型収納を作れば、1階が大きくなってしまうので、その分コストアップにつながってしまいます。
ですから、そうならないような工夫をすることも忘れてはいけません。
無駄になりそうな部屋や余分な広さを削るとか、廊下を少なくするとか。
このようにトータル的に工夫することで、可能な限り予算を抑えながら、いつまでも住みやすい家づくりをするようにしていただければと思います。