2026.02.20
福井県独自の住宅基準とは? ふくい健康・省エネ住宅推進協議会の会長に実態と想いをインタビュー
福井県独自の住宅基準とは?
ふくい健康・省エネ住宅推進協議会の会長に実態と想いをインタビュー
「福井の家は、なぜ雪国なのに寒いのか」。
この素朴な疑問の背景には、福井特有の住文化と、日本の住宅基準が長年抱えてきた構造的な課題があります。
福井の断熱基準は、国が定めた最低限の性能を満たしているかどうかではなく、
“家族の健康を守れる室温が、住まい全体で保てているか”を基準に考える必要があります。
本記事では、一般社団法人ふくい健康・省エネ住宅推進協議会 会長であり、アロック・サンワ株式会社 代表取締役社長の石橋正人氏と、有限会社カワバタ建設 代表取締役社長の川端一輝が、協議会の視点から「福井の断熱基準の考え方」と、その具体的な答えとしての「ふくいエコハピネス住宅」について語ります。
聞き手は、有限会社カワバタ建設 イノベーション事業部 部長の藤内優が務めます。

石橋智洋
一般社団法人ふくい健康省エネ住宅推進協議会 会長
アロック・サンワ株式会社 代表取締役社長

川端 一輝
有限会社カワバタ建設 代表取締役社長

藤内 優
有限会社カワバタ建設 イノベーション事業部 部長
室温18度という「健康基準」を、福井の当たり前に
(藤内)
一般社団法人ふくい健康省エネ住宅推進協議会では、どのような目的をもって活動されているのでしょうか。また、現在力を入れている取り組みや、この活動を始められた背景・想いについても教えてください。
(石橋氏)
最大にして、そして最小の目標は
「冬でも室温が18度を下回らない住宅」を福井の標準にすることです。
WHO(世界保健機関)は、健康を維持するために
冬季の室温を18度以上に保つことを推奨しています。
しかし、福井の冬の平均室温は約15.8度。
このわずか2度程度の差が、血圧上昇やヒートショックなど、
健康リスクに大きく影響していることが分かっています。

この差を埋めるために、私たちは設計と施工の両面から
技術と知識の普及に取り組んできました。
背景には、福井が長期優良住宅の取得率が全国平均より低く、
無断熱の古い住宅が非常に多いという構造的な課題があります。
なぜ福井では断熱性能が重視されてこなかったのか
(代表川端):
雪国である福井で、なぜこれほどまでに住宅性能の普及が遅れたのか。
私はその一因として、福井特有の「局部暖房」の生活習慣があると感じています。
広い家を“見栄”で求め、
家族が集まるリビングだけをストーブで暖める一方、
廊下やトイレは極端に寒いまま。
こうした室内の大きな温度差が、
北陸でヒートショックのリスクが高い要因になっています。

(石橋氏):
だからこそ私たちは、
「寒いのが当たり前」という古い常識を、
科学的に正しい最新情報で“上書き”していかなければならないと考えています。
福井は冬の重い湿雪だけでなく、
夏は猛暑にも見舞われる地域です。
高断熱住宅では、一度入った熱が逃げにくいため、
夏の「オーバーヒート」をどう防ぐかという視点も欠かせません。

HPより引用
福井の断熱基準の“答え”としての「ふくいエコハピネス住宅」
(藤内):
そこで重要になるのが、
福井県と共同で策定した独自基準
**「ふくいエコハピネス住宅」**ですね。
(石橋氏):
はい。
これまでの国の基準では、福井は東京と同じ地域区分に分類されてきました。
しかし、雪が降る福井と、ほとんど降らない東京が
同じ基準であるのは、どう考えても不合理です。

「ふくいエコハピネス住宅」は、
福井の気候・生活実態に即して、
健康性・省エネ性・快適性を総合的に評価する独自基準です。
▼もっと詳しい情報はこちらから
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenchikujyuutakuka/happiessjyutaku.html
県単位でこうした基準を設けたのは、福井が全国で4番目。
早い段階から「住まいと健康」を結びつけてきた取り組みだと言えます。
この基準を通じて、
「健康で省エネな住宅」を
誰の目にも分かる形で“見える化”したいと考えています。
(代表川端):
この認定制度は、資産価値の面でも非常に画期的です。
これまで日本の住宅は、
建てた瞬間から価値が下がる
「スクラップ&ビルド」が当たり前でした。
しかし、認定を受けた高性能住宅は、
将来的に中古市場でも正当に評価される
“資産”になり得ます。
すでに鳥取県などの先進事例では、
認定の有無が不動産査定に影響し始めており、
「知らないと損をする」時代に入りつつあると感じています。

数値だけではない、断熱基準の本質
(藤内):
これから家づくりを考える一般の方は、
どのような点を意識すべきでしょうか。
(代表川端):
数値上の断熱・気密性能は、もちろん重要です。
ただ、それだけでは十分ではありません。
精神的な健康につながる
「開放性」や「パッシブ設計」と、
性能をどう組み合わせるか。
その設計バランスが問われます。
例えば、熱交換型換気システムで
床下まで空気を循環させれば、
北陸特有の足元の冷えを根本から解消できます。

(石橋氏):
私自身、現在アパートの一室を断熱リノベーションし、
その効果を体感できるモデルルームを計画しています。
新築だけでなく、リフォームでも
「暖かいのが当たり前」であることを、
おしゃれなデザインとともに伝えていきたいですね。
(代表川端):
住宅ローンが35年、50年と続く時代において、
将来の地球環境を見据えた家づくりは、
もはや“選択肢”ではなく“必須”です。
そのためにも、
正しい知識を持った専門家と出会うことが、
後悔しない家づくりへの第一歩になります。
(石橋氏):
福井はもともと幸福度の高い地域です。
そこに
「健康的で、経済的にも持続可能な住環境」
というブランドが加われば、
県外に出た若者が
「子育てをするなら福井に戻ろう」
と思える、非常に強い地域になれる。
私たちは住まいを通じて、
そんな福井の未来を、皆さんと一緒に創っていきたいと考えています。

福井の断熱基準が、地域の未来をつくる
住宅ローンが35年、50年と続く時代において、
断熱性能を含めた住まいの質は、
もはや“選択肢”ではなく“前提条件”となっています。
一般社団法人ふくい健康・省エネ住宅推進協議会が考える
福井の断熱基準のあるべき姿は、
住まいを「消費財」としてではなく、
健康と資産を次世代へ引き継ぐための基盤として捉えることです。
福井は、もともと幸福度の高い地域です。
そこに「健康で、経済的にも持続可能な住環境」という価値が加われば、
福井はさらに“選ばれる地域”になっていくと考えています。
一軒一軒の住まいの断熱性能を見直すことが、
福井の未来そのものをつくっていきます。
断熱性能の具体的な仕様や考え方については、
クラフィットハウスの解説ページでも詳しくご紹介しています。
福井に最適な断熱性能の考え方
https://crafithouse.com/knowledge/dannetsu/
クラフィットハウスの性能全体像
https://crafithouse.com/concept/performance/
その考え方を理想論で終わらせるのではなく、
日々の家づくりの中で“当たり前の基準”として実践しているのが、
私たちクラフィットハウスです。
ふくいエコハピネス住宅の思想に基づき、
家族の健康を守れる室温を保つことを前提とした断熱性能を、
特別な仕様ではなく、標準として取り入れていきます。
ふくいエコハピネス住宅についてはこちらからご確認ください
https://info.gbiz.go.jp/hojin/ichiran?hojinBango=5210005010118