2026.01.07
【福井 ゆるキャラ】ほや丸に学ぶ「誇りを生む暮らし」:公務員としての挑戦と【地方創生】ビジョン
〜「坂井市役所」の看板を武器にした【地域プロモーション】の構造〜
noteでの前編に続き、坂井市役所・移住定住推進課で「ほや丸」の企画・運営を担当する小玉さんを迎え、後編をお届けします。
前編はこちらから
市民の「愛着」を「行動」へと転換し、地域ブランドを育ててきた【ゆるキャラ】ほや丸。
今回の対談では、成功の裏側にある現場運営のリアル、クラフィットハウスが得た学び、そして小玉さんが描く【地方創生】としての福井の未来を深掘りします。
この物語は、私たちクラフィットハウスが掲げる「誇らしい暮らし」と、地域づくりの本質がどのように結びついているのかを示す大きなヒントになりました。

小玉 悠太郎
福井県坂井市職員。 総合政策部移住定住推進課 坂井ほや丸お世話係

藤内 優
有限会社カワバタ建設 イノベーション事業部 部長
「推しの推し=坂井市」へ:ほや丸の愛着はどう行動へ変わるのか
(藤内)
前編で伺ったとおり、ほや丸はデビュー直後でありながら、坂井市アンテナショップの1日店長を務めると、その日の売上が倍増するなど、即効性のある経済効果を生みました。
そのうえで最終目的は、「ほや丸への愛着」が“推しの推し=坂井市”への関心へ広がることだとおっしゃっていました。実際、どういった行動変化を期待されているのでしょう?
(小玉さん)
はい。ほや丸をきっかけに「坂井市を推したい」と思ってもらうことが最終的なゴールです。
観光、ふるさと納税、イベント参加、地元店舗の利用など、市への関与が自然と増えていく流れをつくりたいと考えています。ほや丸の推し活が、坂井市への愛着を深めるアクションに繋がる構図です。
ほや丸自身も“成長するキャラクター”として、踊れるようになったり、絵を描けるようになったり、階段の昇降にチャレンジしたり、日々できることが増えています。その自然な変化を飼い主さん(ほや丸ファンの総称)が「尊い…!」と一緒に喜んでくれることが、愛着のベースになっています。
(藤内)
非言語キャラクターだからこそ、現場では小玉さんが「通訳」のような役割もされていると伺いました。運営で苦労されている点もありますか?
(小玉さん)
多いですね(笑)。ほや丸の表現の幅が広がったことで、“ほや丸が何を伝えようとしているか”をお世話係り(運営スタッフ)も分からない時があります。だからこそ、ほや丸の複雑な感情を動きから読み取れたとき、その喜びはより一層です。
最近では週末の遠征も増え、県外のイベントに呼んでいただくことも多くなりました。

福井県内の認知課題:空白を埋めるための地道なアプローチ
(藤内)
一方で、市民や全国のキャラクターファンには愛されているものの、地元・福井県内ではまだ認知に課題があると伺いました。この点は地域プロモーションとしても重要ですよね。
(小玉さん)
はい。ローカルメディアや県内イベントとの接点がまだ十分ではなく、ここが現状の大きな課題です。
福井県民特有の“自虐的マインド”——「福井には何もない」という空気を変えていくためにも、県内露出を地道に積み上げていく必要があります。
ここは地味に見えますが、地方創生を考えるうえで避けて通れないポイントだと思っています。
(藤内)
ゆるバースの投票でも、景品などのインセンティブを使わず「純粋な愛」で推してもらう方式を貫きましたよね。かなり大胆な判断に感じました。
(小玉さん)
票を増やすだけならインセンティブは効果的なんです。でも、それは本当に価値があるのか?と考えました。
私たちは「ほや丸の夢=1位を本気で目指す過程」を飼い主さんと共有することの方が、長期的な価値として大きいと判断しました。
ですので、“愛で推してらう”というスタンスを一貫して貫きました。
公務員が挑戦し続ける理由:「坂井市役所」という肩書きは武器になる
(藤内)
ここからは、小玉さんご自身のマインドについて伺いたいと思います。行政の仕事はどうしても「無難」になりがちですが、小玉さんは常に挑戦的ですよね。なぜその姿勢を保てるのでしょう?
(小玉さん)
ふるさと納税の担当をしていたとき、色んなことに挑戦させていただき、小さな成功体験を積み上げることができました。その際に“数字に結果が出て、市民の方から直接感謝される”という経験をさせてもらいました。その成功体験の積み重ねが、私の自己肯定感を引き上げてくれました。
(藤内)
その経験が小玉さんの“挑戦する理由”の軸になっているのですね。
(小玉さん)
そうですね。
“坂井市役所”という公的な肩書きは、協働の場面で非常に大きな信用になります。これは私にとって強力な武器だと思っています。市役所の名刺は水戸黄門の印籠みたいなもんだと思ってます。だからこそ、その印籠をかざした後の責任もあるわけですが。

「何もない」からの脱却へ──福井の自己肯定感を上げる地方創生
(藤内)
クラフィットハウスとしても、家づくりは単なる建物ではなく、「地域に誇りを持って暮らせること」が大切だと考えています。その点、ほや丸の取り組みと私たちの理念が重なる部分を強く感じます。
(小玉さん)
本当にそう思います。
私が描いている30年後の福井のビジョンの中心は「自己肯定感の向上」です。
福井には良いものがたくさんあるのに、都会との規模比較で「何もない」と卑下してしまう。このマインドを変えていくことが、地方創生の本質だと考えています。
(藤内)
“愛着が行動になり、行動が文化になる”という構造は、住宅会社にも共通しますね。
ほや丸が示す「愛着 × 行動 × 文化」の地方創生モデル
ほや丸の歩みを聞きながら、私たちクラフィットハウスが掲げる
「誇らしい暮らし」 が、単なる住宅性能やデザインの話ではなく、
“地域で生きることそのものに、誇りを感じてもらうための文化づくり” であることを改めて実感しました。
家は建てて終わるものではなく、
そこで暮らす人の行動が積み重なり、やがて地域の空気や価値観までも形づくっていく。
その意味で、ほや丸が生み出した「愛着の循環モデル」は、私たちの家づくりの哲学と深く重なります。
暮らしへの愛着が、行動を生み、その行動が地域の誇りになる。
そんな循環がつ未来こそ、クラフィットハウスが目指す地域の姿です。
今回の対談を通して、家づくりと地域プロモーションは異なる分野のようでいて、
実は「人の誇りをどう育てるか」という一点でしっかりつながっている──。
その確信を強くする時間となりました。
ほや丸が誕生するまでの8年間には、数えきれない試行錯誤と“企画を通すための長い戦い”がありました。
デビュー直後に約7,000フォロワーを獲得した裏側には、「作る」ではなく「生み出す」という哲学、そしてファンを巻き込む精密なプロセスエコノミー戦略があります。
その詳細は、noteで公開している前編の記事で紹介しています。
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