2026.04.21
中東・イラン情勢の緊迫化に伴う建築資材および価格への影響について徹底解説
現在、報道されておりますイラン情勢の緊迫化により、世界的に原油や石油化学製品の供給不安が広がっております。これに伴い、住宅業界においても建築資材の価格高騰や物流コストの上昇、また、資材の遅延が避けられない状況となりつつあります。
一部では住宅価格の1割以上の値上げや、資材調達の遅延による工期の遅れなども懸念されており、家づくりを検討されている皆様におかれましては、ご不安を感じておられることと思います。
本記事では、現在何が起きているのか、住宅価格への影響、そして今どのように判断すべきかを整理します。
1. ナフサショックとは?
住宅業界への影響をわかりやすく解説
ナフサとは、原油を精製して得られる石油製品であり、プラスチックや合成樹脂、接着剤、塗料などの原料となる基礎素材です。
2026年2月以降の中東情勢の緊迫化により、物流の要衝であるホルムズ海峡の封鎖となり、供給の不安定化が生じています。日本は原油輸入の約94%を中東地域に依存しているため、こうした影響を受けやすい状況にあります。
住宅においては、断熱材・防水シート・配管・住宅設備など、幅広い部材にナフサ由来の資材が使用されており、本件は家づくり全体に影響を及ぼす要因となっています。

2. 建築費はいくら上がる?資材不足・納期遅延の最新状況【2026年4月】
現在、現場では主に「価格上昇」と「供給遅延」の2つの影響が発生しています。
| 資材価格の急騰 | プラスチック系断熱材や屋根の防水下地材(ルーフィング)が約40%値上がりするなど、かつてない規模の価格改定が行われています。 |
| 供給の目詰まり | 特定の断熱材や配管材、シーリング材などが届かない事態が発生しています。 |
| メーカーの受注調整 | LIXILやタカラスタンダードなども納期調整の可能性を表明しています。 |
ここで大切なのは、「すべての建築費が同じ割合で上がるわけではない」という点です。
影響を受けるのは石油由来資材が中心であり、建物全体に占める割合を踏まえると、総額では数%程度の変動に収まるケースも多いのが実情です。
例えば一般的な住宅規模で考えると、数十万円〜100万円前後の変動幅として現れる可能性があります。
※仕様や時期によって変動します。
また、価格以上に注意すべきは「納期」です。 場合によっては、設備や資材の遅れにより、完成時期が読みにくくなる可能性があります。

3. 資材高騰の中でも品質と誠実さを守るために
現在のような資材価格の変動や納期不安がある状況において、重要なのは「影響を正しく把握し、計画を止めないこと」です。
弊社では、以下の具体的な対策を講じています。
① 最新情報の即時共有(判断のズレを防ぐ)
メーカーや商社と連携し、価格改定や納期変動の情報を常に把握しています。
影響が想定される場合は、できる限り早い段階でお客様へ共有し、判断のタイミングを逃さないようにしています。
② 柔軟な代替提案(工期遅延の回避)
特定の資材や設備に遅れが出る場合でも、性能・デザイン・コストのバランスを踏まえた代替案をご提案します。家づくりが途中で止まることのないよう、複数の選択肢を前提とした計画を行います。また、 資材価格の変動を踏まえた最新の総額を都度ご提示し、想定外のコスト増を防ぎます。判断に必要な情報を整理し、納得したうえで進められる状態をつくります。
③ 先行手配と工程管理(納期リスクの最小化)
資材の早期発注や在庫確保を行い、工期への影響を抑える体制を整え、全体スケジュールを見据えた工程管理により、遅延リスクを事前に調整しています。
このように弊社では、価格や納期に不安がある状況においても、影響をできる限り見える形にしながら、一つひとつ整理して進められる環境づくりを行っています。
「どのくらい影響があるのか分からない」「判断していいのか不安」という状態のまま進めるのではなく、お客さまの状況に当てはめて、納得したうえで判断していただくことを大切にしています。
4. 家づくりは今すぐ進めるべき?待つべき?資材高騰期の正しい判断基準
「今は待ったほうがいいのか?」というご質問をよくいただきます。
過去のオイルショックの教訓では、一度上がった建築コストは、情勢が落ち着いても元の水準まで戻らない傾向があります。
そのうえで、現時点での一つの目安として、以下のように整理できます。
・1〜2年以内に家づくりを考えている方
現状をしっかり把握したうえで、計画を前に進めることをおすすめします。
・まだ具体的な時期が決まっていない方
まずは情報収集と資金計画の整理から、ぜひ始めてみてください。
大切なのは、情報に振り回されて判断を止めてしまうことではなく、「自分の状況に当てはめて考えること」です。
5. 資材高騰が不安な方へ|今すぐできる家づくりの備え方・進め方
不安な状況だからこそ、私たちは以下のようなステップをおすすめしています。
・現在の状況での「総額の目安」を把握する ・資材影響を踏まえた「現実的な資金計画」を立てる ・将来の変動も含めた「余裕のある判断」をする
これらは、まだ建てるか決めていない段階でも問題ありません。
「今の状況だと、自分の場合どうなるのか?」 この一点を整理するだけでも、判断の精度は大きく変わります。
最後に
今の状況は、確かにこれまでにない変化の中にあります。
しかし、すべてが不透明というわけではなく、整理することで見通しを持てる部分もあります。
また、こうした外部要因による資材価格の変動は今回に限ったものではなく、これまでにもいわゆるウッドショックなど、同様の局面を経験してきました。
弊社ではその都度、調達方法や設計内容の工夫により、全体コストへの影響を抑える対応を行ってきております。
私たちは、世界情勢そのものを変えることはできませんが、
お客様の状況に応じて、影響を整理し、適切な判断ができる状態をつくることは可能です。
「自分たちの場合はどのような影響があるのか」
状況整理のみでも対応しておりますので、ご不明点がございましたらお問い合わせください。